福井総裁の寄付

こんばんは、Xです。

経済評論家の森永卓郎氏のコラムを見つけました。

-福井総裁の寄付が「潔し」と思えない理由-
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/column/o/59/index.html

詳しくは上記ソース元に譲るとして、森永氏の主張は下記の通り。

・村上ファンドに投資していた元金1000万を含む、計2470万を寄付することで、禊ぎを果たしたつもりだ。
・しかし、寄付をすることで所得税と住民税の控除が受けられ、合計700万ほどの節税となる。
・しかも今年に1700万、来年770万と2回に分けて寄付をするため一度に寄付をするより、控除額が大きい。
・今回問題となっている投資に関して、福井総裁の実質マイナスは300万程度でしかない。
・日銀総裁の給与は月300万程度であるから、たった1ヵ月総裁の席に居座っただけで「元」は取っている。
・従って、就任前に投資した元金も全て寄付したからといって、同情に値しない。
・加えて、節税額を増やすために「意図的に」解約払い戻しを2年に分けているのではないか、という疑いも残る。


ふーん、というのが私の印象。

このコラム内では森永氏の結論が見あたらないので（タイトルの「潔しと思わない」か？）、推測すると、「寄付金控除も加味して、福井総裁個人の最終マイナスが1470万になるように調節し（利益をゼロにする）、且つ速やかに総裁を辞任すべきだ。誰も同情などしてはいかん。」と言ったところか。福井総裁が受け取った利益には税金がかかっているから、実際に正確に計算すると、もう少し減ると思うが。

私の受け取り方に問題があるのだろうが、重箱をつついた嫌味にしか聞こえない。村上ファンドからの払い戻しを意図的に分けている、ということはさすがに無いであろう。そんな指示をしたことが後日ばれたら、それこそ総裁の椅子は無い。その椅子に拘っている人がそんなことはしない。世論もすっかり風化して、何事もなかったかのようにしていることは、私も問題だと思うし、福井氏はやはり辞任すべきだと思う。それは、投資云々というより、公僕として世間を騒がし、国民を不安に陥れたという理由からである。それが本質であり、その本質を外して、このような重箱の隅をつつくだけの批判をしていても、福井氏は痛くも痒くもない。

法を犯していないから、辞任の必要はない。それでは民間企業と同じである。民間企業でさえ、社会への影響力が大きい場合、「モラル＝道義的責任」として引責辞任をするケースが最近は多い。

国家公務員こそ「道義」を守ることが義務であり、その信頼の上に成り立っているはずである。実際の公務員法などは知らないが、そもそも役人とはそういった暗黙の道義が備わった優れた人である、という前提があるはずだ。道義を知り、恥を知り、利他を実践できる徳がなければならない。国家の主幹である、日本銀行の総裁である。そのくらいレベルの高い要求をしてもおかしくないだろう。

利益処分云々の問題ではない。国家経済を安定させる職務の人間が、意図は無かろうが結果的に不安に陥れたのだ。辞任以外にどう贖うのであろうか。

福井総裁は恥を知れ。
投資利益など寄付の必要はない。
速やかに辞任すべき。

[この記事の続きを読む]