続・銀行は庶民の味方か?
おはようございます、Xです。
前回は、住宅ローンを例に金利について書きました。変動金利のリスクは借り手が負っていること、銀行は理論的にノーリスクと言って良いモデルに更にヘッジをしていること‥。(銀行の存在意義は言うまでもなく、銀行叩きではありませんよ)
変動金利はリスクが高い、では固定金利タイプの住宅ローンを選ぶと、高金利時代に銀行は損をするのか?
ここまででした。
==============================
乱暴な言い方ですが、住宅ローンはギャンブル、胴元は銀行です。胴元は損をしない仕組みになっています。それが「スワップ」です。
銀行はインターバンク市場からTIBOR(ここでは0.13%とする)で資金を調達している他にも、もっともっと安く資金調達しています。言うまでもなく、それは預金者のお金です。普通預金金利は、0.001%ですから、そのお金をTIBORで運用すると、0.129%のスプレッドがノーリスクで手に入るのです。
話を戻して‥。
銀行は、固定金利で貸し出して、市場金利が高騰したらどうヘッジしているのでしょうか。上の例で言い換えると、普通預金金利は「TIBOR - 0.129%」と言えます。例えば、この金利で3000万預金しているA様がいるとします。一方、銀行は固定金利で3000万を誰かに融資しているとして、銀行自身の調達金利は変動(TIBOR)ですから、これを何とかして固定にしたいところです。
そこで、銀行の変動金利とA様の変動金利をスワップ(交換)するのです。
銀行は調達金利が少々高めでも固定にしてリスクヘッジしたい、A様は超低金利(0.001%)を少しでも上げたい。お互いの利害が一致します。
銀行がA様に「私は1%の固定金利をA様に払うから、その代わりにA様は私にTIBORの金利を払ってくれ」といったらどうでしょうか?交換条件、スワップです。
交換条件成立後の銀行側の金利を整理すると、
TIBOR + 1% - TIBOR = 1%
となるのがお分かりでしょうか?
A様の金利はというと、
TIBOR - 0.129% + 1% - TIBOR = 0.871%
となり、双方ともに、TIBOR(=変動リスク)が魔法のように消えてしまいます。まるでイカサマです(笑)
つまり、銀行はA様の金利を負担することで、1%の固定金利で資金が調達できることになりました。A様は銀行のTIBORを負担することで、0.871%の固定預金金利になりました。銀行が圧倒的に有利に見えますが、A様も得をしています。この例で言うと、預金金利が871倍になっているのです。「WIN-WIN」の関係です。実際はA様側は、利付金融債だったりはしますが。
こうして銀行はTIBORを1%の固定金利に変貌させて、マージン(前回の例では2.245%でしたね)を加えて、「固定金利:3.245%」のようにして店頭に置くわけです。
この夢のような交換条件を「金利スワップ」といいます。このからくりで銀行は負けない試合ができるわです。
==============================
二回に分けて、金融のごく一部ですが触れてみました。面白かったでしょうか?(汗)
説明が下手でわかりにくかったですね。
前回は、住宅ローンを例に金利について書きました。変動金利のリスクは借り手が負っていること、銀行は理論的にノーリスクと言って良いモデルに更にヘッジをしていること‥。(銀行の存在意義は言うまでもなく、銀行叩きではありませんよ)
変動金利はリスクが高い、では固定金利タイプの住宅ローンを選ぶと、高金利時代に銀行は損をするのか?
ここまででした。
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乱暴な言い方ですが、住宅ローンはギャンブル、胴元は銀行です。胴元は損をしない仕組みになっています。それが「スワップ」です。
銀行はインターバンク市場からTIBOR(ここでは0.13%とする)で資金を調達している他にも、もっともっと安く資金調達しています。言うまでもなく、それは預金者のお金です。普通預金金利は、0.001%ですから、そのお金をTIBORで運用すると、0.129%のスプレッドがノーリスクで手に入るのです。
話を戻して‥。
銀行は、固定金利で貸し出して、市場金利が高騰したらどうヘッジしているのでしょうか。上の例で言い換えると、普通預金金利は「TIBOR - 0.129%」と言えます。例えば、この金利で3000万預金しているA様がいるとします。一方、銀行は固定金利で3000万を誰かに融資しているとして、銀行自身の調達金利は変動(TIBOR)ですから、これを何とかして固定にしたいところです。
そこで、銀行の変動金利とA様の変動金利をスワップ(交換)するのです。
銀行は調達金利が少々高めでも固定にしてリスクヘッジしたい、A様は超低金利(0.001%)を少しでも上げたい。お互いの利害が一致します。
銀行がA様に「私は1%の固定金利をA様に払うから、その代わりにA様は私にTIBORの金利を払ってくれ」といったらどうでしょうか?交換条件、スワップです。
交換条件成立後の銀行側の金利を整理すると、
TIBOR + 1% - TIBOR = 1%
となるのがお分かりでしょうか?
A様の金利はというと、
TIBOR - 0.129% + 1% - TIBOR = 0.871%
となり、双方ともに、TIBOR(=変動リスク)が魔法のように消えてしまいます。まるでイカサマです(笑)
つまり、銀行はA様の金利を負担することで、1%の固定金利で資金が調達できることになりました。A様は銀行のTIBORを負担することで、0.871%の固定預金金利になりました。銀行が圧倒的に有利に見えますが、A様も得をしています。この例で言うと、預金金利が871倍になっているのです。「WIN-WIN」の関係です。実際はA様側は、利付金融債だったりはしますが。
こうして銀行はTIBORを1%の固定金利に変貌させて、マージン(前回の例では2.245%でしたね)を加えて、「固定金利:3.245%」のようにして店頭に置くわけです。
この夢のような交換条件を「金利スワップ」といいます。このからくりで銀行は負けない試合ができるわです。
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二回に分けて、金融のごく一部ですが触れてみました。面白かったでしょうか?(汗)
説明が下手でわかりにくかったですね。
12 Comments:
At 3/25/2006 02:20:00 AM, Anonymous さんのコメント…
いーくん、週足 赤三兵 ならず!!
残念っ!!
日中足を見ると前場ピクリとも動かなかったんですねぇ
これが 売り枯れ ってヤツですか?
で、証金速報 信用買い新規2万株に対して返済24万4000株。
これが損切りの期日売り?
miyamotoさんの話だと残りは50万から100万くらいだそうで、今日けっこう消化しただろうから早ければ来週中にはGO!! ですかね。
今日こそは あしたこそはで 数ヶ月
まぁ、気長に待ちます。
果報は寝て待て。
そのうち良いことあるだろう。
>xさん
銀行の金利って、そうやって決まってたのですか。へぇぇぇ
勉強になります。
At 3/25/2006 10:45:00 PM, Anonymous さんのコメント…
ん?と、つまりA様はTIBORが1%を超えないかぎりお得と言うことですよね。
なんとなく判った気がしますw
いーくんの信用の消化は、時間が掛かると思ってます
昨年の10ー11月に掛けて信用が急激に増えてるので、期限切れになるのは4ー5月
とすると、6月になるまで上がらないかも
ただ、いーくんの株価は筋次第だけどw
At 3/26/2006 12:21:00 AM, Anonymous さんのコメント…
はじめまして。
いつも勝手に勉強させて
もらっておりました。
3月に入って日経225Fの書き込みが
ありませんが、サイン公開
やめちゃったのでしょうか?
それとも日経225Fのトレード自体
休んでるのでしょうか?
At 3/26/2006 12:12:00 PM, Anonymous さんのコメント…
ofgからXさんのブログを知りました。今回のTIBOR等の話、私は好きです。まったく関係ない仕事をしておりますが非常に興味あります。質問:顧客とのバーターで1%の固定金利になった銀行。この1%はインターバンク市場に返済する金利ということでしょうか?そうであれば、現在は0.13%で済むのに8倍近くコスト増では?それとも、tibor金利が上昇した段階で顧客と手を打つという作戦で、現段階では銀行はその手を実施していないということでしょうか?それならわかるのですが。株も初心者なら金融知識も・・すいません。
At 3/27/2006 06:36:00 PM, Anonymous さんのコメント…
なるほどなるほど。超低金利時代の産物なんですね。そういえば今朝のオープニングベルでTIBORが少し話題になってました。
At 3/27/2006 11:14:00 PM, Anonymous さんのコメント…
>miss00さん
要するに、TIBORは変動金利だからそれを固定にしてリスクヘッジをするにはどのようにすればいいかってことですよね。
上の私の書き込みで少し変なことを書きましたかね?超低金利の産物みたいな書き方はあまり正確じゃなかったです。Xさんの説明の1%は銀行が預金者に差し出す金利分ですが、そこから普通預金金利とTIBORの差額分(今の場合0.129%)を差し引いた分が普通預金金利より高ければ、この取引は成立するってことなんですね。当たり前ですがw
このカラクリ仕組みは、一言で言えば、銀行が普通預金者に差し出している1%という金利を、普通預金者を経由して最終的にTIBORの金利と置き換えているんですよね。このようにしてTIBORという変動金利のリスクを解消しているってわけです。
At 3/27/2006 11:15:00 PM, Anonymous さんのコメント…
すいません。いまいちコメントの公開の仕方がわからなくて。上の書き込みは私です。
At 3/28/2006 01:41:00 AM, Anonymous さんのコメント…
こんばんは
み、みなさま この話題にしっかりついていっていらっしゃる すごいです
ひとまず、タイボーという言葉を知ったことが大収穫です。あと、なんにしても長期借入はしたくないっすねぇ・・・。
はぁー、ひのき花粉にやられちゃって、頭の回転が鈍ってて(へへ 言い訳)
ここんところ週末っちゃー引越しの手伝いにいっています。マイホーム購入という話も続いて聞いたし。みなしっかり計画してるんですねぇ。しみじみ。
At 3/28/2006 02:03:00 AM, Anonymous さんのコメント…
tyrさんありがとうございます。今日は日経新聞と電卓・ビジネス書を抱えて色々数字をいじっていました。こういうものは慣れが必要ですね。まずは数字アレルギー克服からか・・。
At 3/28/2006 02:04:00 AM, Anonymous さんのコメント…
上記の投稿は私でした。
At 3/28/2006 02:26:00 AM, xtakaphi さんのコメント…
皆さんこんばんは。本業が多忙にて書き込みができずにいました。時々ブランクができてしまうかと思いますが、ご容赦ください。
スワップについて皆さんがご興味をもたれたようで、金融の世界へのきっかけになれば嬉しいです。(私は金融業界の人間ではありませんが。)
デリバティブには大きく3つがあり、「スワップ」「フューチャー」「オプション」です。個人投資家がスワップ市場に直接アクセスすることは出来ませんが、「株価指数」を原資産とする「フューチャー(先物)」「オプション」はご存知の通り、株式投資同様に誰でもネットで取引できる環境があります。特にオプションは世界中の金持ち達が、熱狂しているゲームです。(海外には指数以外のオプションも多数あり)個人的には、現物株→先物→オプションの順にリッチ層が多くなるのではないかと見ています。私は資産形成と運用は、最終的にはオプションで出来たら良いなと思っています。現在は株→先物を行ったりきたり、ですが。もっとも”戦略”と言葉が似合うのがオプションです。汗水たらして現金を稼ぎ、稼いだ現金を、今度は頭を使って戦略的に運用する、戦略が組めなくなるほど老いたら、現物株に戻って「投機」ではなく「投資」に切り替え、いくつもの上場企業の主要株主となり資産を後世に引き継ぐ、というのが人生残り半分の青図です。
このブログでも一緒に資産を増やしていける仲間が増えていけばいいと思います。インターネットがなくなることはないでしょうから、ブログに拘らずとも何らかの形で5年10年15年と、お付き合いする方々もいるかもしれませんね!
>masakiさん
しばらく日経先物について触れていませんでしたが、続けています。3歩進んで2歩下がる、そんな状況です(笑)近々サイン公開も再開しますね。
At 3/28/2006 02:47:00 AM, xtakaphi さんのコメント…
スワップも含め金融派生商品(=デリバティブ)についてわかり易く説明してある本を紹介します。古い本で恐縮ですが、
「まんがで学ぶ超簡単デリバティブ」(日本債権信用銀行著)
おそらく書店には置いていないと思いますので、amazon等で探してみてはいかがでしょうか?(決して買い煽りではありませんよw)
>けがりめさん
タイボーの他に、ライボーなんていうのもあります(笑)
LIBOR=London InterBank Offered Rate
タイボーは円ドルのみですが、ライボーは世界主要通貨全て扱っています。1999年にLIBOR参加銀行から邦銀が外されて、外銀主導で円金利が決められるようになりニュース等でも騒がれました。それを機に国内取引はTIBORで、となったと記憶しています。
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